2018/04

2018/04/07

入浴中のことだった。 

 

いつものように洗顔した後、頭髪を洗って流し終わった。 

そして身体を洗い始めた時、それは始まった。 

 

何か奇妙な物音が発せられたのだ。 

「キュルキュル」とも「チュルチュル」ともつかぬ音とともに、「シューシュー」というような空気の漏れる音だった。 

 

その日、外は強風雨で家族は外出していた。

静かな浴室で上記の物音がした時、最初は外との気圧の差が原因で排水溝が鳴っているものと思っていた。 

身体を洗い進めていると、再び「キュルキュル」「チュルチュル」「シューシュー」の音がする。


違う。排水溝じゃない。 近距離からの音だが上方から聞こえてくる。

身体を洗う手を止め、状況を把握しようと努める。

「キュルキュル」「チュルチュル」「シューシュー」。


音の出所を透視するかのように沈黙を保つ。



冬に給湯器を新型のエコジョーズに交換してから、再燃焼時に利用されたドレンが、浴槽の排水溝へ排水される仕組みに変わったため、時折排水される音がすることは今までにもあった。

しかし、今回の音はそれとは異質のものだし、何しろ排水溝からでなく天井裏から聞こえてきたのだ。


では幻聴か? 

確かに幻聴が起きた時には、幻聴という自覚はない。後から振り返って幻聴だったのだと理解する。

しかし、幻聴の時は音(声)の出所が曖昧で、時にはすぐ耳元だったり、頭の中から聞こえてくるものだった。しかも、なんらかの意味を持っていた。今回は意味不明の物音だし、天井裏からとわかる。


「キュルキュル」「チュルチュル」「シューシュー」。

何か小動物が会話しているようにも聞こえてきた。


ネズミ!?

そう思い至ると、鳥肌が立ってきた。

「キュルキュル」「チュルチュル」「シューシュー」。

こんなに至近距離でしかもこちらは素っ裸と無防備だ。

でも流石に密閉度の高いマンションであるだけに、浴室にネズミが顔を出す隙間は幸いにして存在しない。

天井を一度だけコツンと叩いてみる。ーー沈黙。

反応がないので再び身体を洗い始める。



街に住むネズミは文字通り命がけだ。

かつてニュースでやっていたのは、都会のオフィスビルの中にネズミが住み着き、ケーブル類をかじって断線させ、人間活動に被害が出ている、というものだ。

或いは、地下鉄のホームに立っていると、線路付近に姿を現しちょこまか動いているのをたまに目撃することがある。


果たして、マンションにもネズミが住み着くことがあるのだろうか?

だとすれば、どこから入ったのか?

エレベータのドアの隙間から入り込み、ケーブルを伝って……?

餌はどうしてるんだろう? 人間のいない時間帯に部屋に現れるのだろうか? それとも共喰い? 



考えれば考えるほど、気持ち悪くなってきた。

そそくさと身体を洗い流し浴室を後にした。



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2018/04/06


幼稚園に入るか入らないかくらいの幼い頃の娘が夢に出てきた。 

 

現実の世界では、最近娘が何を思ったか、幼い時代のビデオテープを何時間も観ては笑い転げるやら、懐かしむやらしていた。 

 

今にして思えば、夢に現れたのはそのビデオの残像だったのだろう。 


夢の中で幼い娘は、横になっている私の首の後ろにまとわりついてきた。 

首の周りには、小さな手のひらの柔らかい感触があり、くすぐったかった。 

 

次第に小さな手は、首の付け根に移動し、肩もみを始めた。

肩もみをするには幼すぎて、あまり力が入らず肩もみにはあまり効果を発揮していなかった。


ところが、徐々に細い指先に力が入り、指圧を始めた。

くすぐったさは通り過ぎ、幼子とは思えないほどの力が入ってきた。


段々、娘の指先が私の首根っこの頸動脈に食い込み始めた。

最初のうちは痛みを感じていたが、それもやがて痺れに変わってくる。


幼女と思えないほどの物凄い力で、指先がさらに頸動脈に食い込んでくる。

痺れが首から頭部全体に広がり、だんだん呼吸するのも困難になってきた。

それでも容赦なく娘の指は食い込んでくる。

とうとう呼吸ができなくなり、苦しくなってきた。


私は最後に、首にまとわりつく何者かを勢いよく振りほどいた。

呼吸を整えて我にかえると、夢であったことに初めて気付く。


今見た夢が、一瞬フラッシュバックし、身震いした。

首に当てられた指先の感触は、まだ残っていた。



ランキングがご覧になれます。
ポチって頂けると励みになります。


   にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 統合失調症へ



  • このエントリーをはてなブックマークに追加