東京アラートは出たものの、自粛解除から世の中が活動を始めた。
また、今週にも梅雨に入るとの首都圏の予報。
そこで、急きょ半年に一度の眼科に行くことにした。
以前、網膜裂孔という(網膜剥離の一歩手前の)病で、レーザー手術を受けており、以降定期的に検査を受けている。
家を出る9時半頃、妻はまだ寝室におり、部屋の外から「出かけてくる」と軽く声をかけた。
身支度を始めたようだったので、玄関扉のカギは閉めずに眼科に向かった。
ひととおりの検査を終え帰途についた。
時刻はすでに昼の12時になっており、太陽が真上から照りつける。
瞳孔を開ける目薬をさされているので、アスファルトからの乱反射も余計に眩しく目が痛くて、まともに目を開けていられない。
我が家に到着し玄関を開けると、カギはかかっていないままだった。
(さすがに昼ならば、妻も起きて家事などこなしているのだろう。)
家の中はやけにシーンとしている。
でも南北の窓は少しずつ開けて風通しよくしているし、洗われた洗濯物が干されずにカゴに入ったままになっていた。
ベランダにも出て外の空気を吸っているのだろうか?
いない。
トイレに入っているのか?
誰もいない。
おかしいな。少し不安になり始めた。
とりあえずやりかけの洗濯物を干しながら、考えた。
そして空腹を満たすため、軽く食事をしながら、また考えた。
家を空ける時に、カギを閉めなかったことはない。
洗濯の途中で、外出するのも考えにくい。
では、どこに?
胸騒ぎを感じながら、静かな暗いバスルームの明かりを恐る恐る付けてみた。
何の変哲もない、いつものバスルームだった。
まさかと思いながらも、でも念のため、各クローゼットの中を調べた。
服が掛かっているだけだった。
妻が就寝中に着ていた服類は脱ぎ捨てられていた。
いつもならきちんと畳まれているのに。
全ての形跡が、やりっぱなしの状態だということは、
何かのっぴきならない理由で家を飛び出したか、連れ去られたか、
くらいしか思い当たらなかった。
こうしてブログ記事を書いている最中に、
何度かけても出なかった妻のiPhoneから、電話がかかってきた。
無事だった。
話によると、ジムに出かけていたようだ。
マスクを忘れ一度とりに帰った時に、カギをかけ忘れたようだった。
予約時間に間に合わせるために、洗濯の途中で出て行ったようだ。
妻本人は、カギは閉めたはずだと言い張るが、閉まっていなかったのは事実。
まずは、無事に帰ってきたことには安心するものの、
忘れっぽさは認知症の始まりでは? と不安も同居する。
いま妻は、遅めの昼食のカップ麺をすすっている。
いつもの日常に戻ったが、認知症への注意は払い続けていかなくては。
ガンコなところがある妻がもしも認知症になってしまったら、看病も厄介に違いない。
まずは、なんでもない日常を満喫しようと思う。
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