不安

2014/10/02


退職せざるを得ない状況で、早期退職することになった私が最初に抱いた感情は、「もう会社に行かなくていいんだ。」という安堵感です。

入院中でもいつかは退院して復職しなければならないという焦燥感があったので、これは今までにない感覚でした。


”早期”退職なのでさずがに妻からは「今までお勤めご苦労様です。」のような言葉はありませんでしたが……。


安堵感と同時にやってきた気持ちは、これからどう生活していくかという経済的な不安(住宅ローンや教育費その他生活費すべて)です。

会社からの退職金はじめ、財形貯蓄などなどの一時金といくばくかの貯金で、しばらくは生活はできるでしょう。

これらが尽きたときのことは、今のところ考えないようにしています。

尽きる前になんとかせねば……。


子供をウチにひとりにしたくないという理由から、割の良くない内職をしていた妻が、これを機にパート勤めを始めました。内職の仕事量を徐々に減らし、最後はすべてパートに時間をあてるようになりました。

頑張ってくれて、かなり助かっています。職場でも若い人たちに慕われているようで頼もしかったのです。

また、子供を連れて妻のいる勤め先に行ったことがありますが、仕事に打ち込んでいる姿を見て、「働く」ことの尊さを改めて知らされました。


退職して困ったことは、子供の学年が上がる時に、家庭調査書のような提出書類の欄に、保護者の「勤め先」とか「職業」があったことです。

「失業中」とするか「求職中」或いは「なし」など、記入に迷いました。

担任の先生に対し、どんな印象を与えるだろうかとか、何より子供の友達に見られて我が子が困ったことにならなければとか心配しました。

子供に申し訳ない気持ちです(当然妻にも)。


社会のレールから外れるというのは、こういう事なのだと実感しました。




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2014/09/30


前回は新しい配属先でのことをお伝えしました。


少し補足させて頂きます。


この時はコミュニケーション力も落ちていて、常に不安を抱いていたうえに、有給休暇がない状態でしたので、休んだときは休日出勤をして穴埋めをしなければならい崖っぷちでした。

「仕事上の不安は仕事で解消する」というのが持論でしたが、不安感・鬱状態は私生活にも及んで常態化していました。

よって、仕事で解消できる問題ではなく、生きる意味とか、生きる上での働く意味とかを改めて考えるようになりました。


今の会社を辞めて幸運にも新たな仕事に就けたとしても、収入が下がるのは火を見るより明かでしたし、そもそも病状を改善する根本的な解決にはなりません。

かといって、このまま仕事を続けていけるのか、家族を養っていけるのかが大問題でした。


こうして鬱状態が続き、結局ふたたび入院することになりました。


一度目の入院のときは、幻覚や妄想の陽性症状が原因でしたが、2か月半で退院できました。

今回の入院は、鬱・意欲減退の陰性症状が原因です。陰性症状というのが厄介で、退院までには最終的に半年以上かかりました。


入院患者には、老若男女・病気も様々な方々がいらっしゃいます。

自宅療養とは違い、いろんな人と会話できるので、コミュニケーション力の衰えを取り戻すことができました。


何より、仕事が絡まず損得勘定もないし、社会生活から外れ一休みしている者同士なので、ざっくばらんに話すことができます。

もちろん体調の優れない時は、ベッドで読書するなり考え事をするなりして過ごします。


入院することによって、自分を見つめ直したり、心身の状態に気を配るようになりました。




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2014/09/25


「034 閉鎖病棟へまっしぐら(前編)」からつづく。


もはや幻覚や妄想で私は正気を失っていました。

裏の組織に命を狙われていると思うに至ったのです。

私だけでなく我が子の命までも。


しかしこともあろうに、妻が裏の組織と通じていると疑念を抱いていました。

私の身の回りでは異変が起きている(と信じている)のに、妻は常に気丈に振る舞っていたからだと思います。



疑心暗鬼がふくらみ、決定的な出来事を引き起こしました。


生命の危機に対する不安が頂点に達した日の深夜、家族が寝静まった頃合いをみて、脱出を企てたのです。

眠る子供をそっと抱きかかえ、物音を立てないように裸足で玄関を出ました。

外は雨が降っていました。

誰もいないエレベーターで1階まで降りると、そこにはビニール傘が立てかけてあり、まるで私が今夜ここを通ることを知っていた何者かが用意したものに思えました。

しかしその傘を手にせず先を急ぎます。

雨の降る中庭を通ってフロントカウンターの前を通り過ぎようかというとき、異常を察知した警備員に呼び止められました。


警備員室に通されて事情を聴かれました。

説明(といっても、ひと言ふた言)しても理解されるはずもなく、目を覚ました子供が妻を呼びにインターホンまで行きました。


すぐに妻が迎えにやって来ました。

警備員室の外で、妻と警備員が何やら話をしていましたが、その間私はマンション内の要所要所を映すいくつものモニター画面をぼんやり見つめていました。

警備員には妻から私の病気について触れたらしく、私たちは警備員室を後にしました。


しかし私の不安が解消した訳ではないので、「帰ろう」「イヤだ」の妻とのやり取りがフロントカウンター前で繰り返されました。

その間、遅い帰りの住人が数分おきに傍を通り過ぎます。私を偵察に来た、裏組織の一員だと思いました。



この事件が決定的となり、閉鎖病棟に入院することになるのです。




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2014/09/01


アメリカ西海岸のハネムーン最初の地はラスベガスでした。

私たちを含む3組の新婚夫婦がこの地に降り立ちました。


宿泊先のホテル「ザ・ミラージュ」に向かう途中、ド派手な建造物や

アトラクションに目を見張り、よくぞ砂漠の上にこれだけの街を

作ったものだと感心してしまいました。



その日はショーを見ながら夕食を摂る予定になっています。

それまで少し時間がありました。


部屋のテレビを付けてもカジノの宣伝ばかりなので、私たちふたりは

カジノで時間をつぶそうと思いました。そのまま夕食にいけるようにと

スーツ姿に着替えて1階に降りました。



来てみたはいいものの、何から始めてよいか分かりません。

ホイール・オブ・フォーチュン」が目に飛び込んできました。


ルールが簡単そうだし運試しにと、最も低い確率(オッズ)の数字に

一カ所だけ賭けてみました。


……結果、な、なんと大当たり!


何度かオッズを変えてみたけれど結構な確率で当たるのです。

私が来る前は誰もいなかった台の周りに見物人が集まり始めました。

金髪で奇麗な女性ディーラーが屈強な男性ディーラーに交代します。


やはりそうだったのか! 私はどこかで監視されていたのだと悟り

ました。


ルーレットのディーラーは思い通りの数字に玉を入れる事ができると

言います。ましてやホイール・オブ・フォーチュンならシンプルな作り

だけに、それ以上に意のままになるはず。


プレイヤーに最初のうち良い思いをさせておいて、あとから搾り取る

つもりだったのでしょう。勝ち逃げするのが怖くなってきました。

(といっても微々たる額ですが……)


でも、夕食の集合時間がせまっています。どうやってコインを減ら

そうか? すぐ近くのスロットマシンで、盲滅法に押し続けました。

それでもジャラジャラ当たるのですから、不安と焦りが膨らみます。

ここでも操作されているのか!


結局コインは使い切れずにタイムアップ。


複雑な思いを抱えてディナー・ショーへと向かいました。





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2014/08/27


前回に引き続き、今回も補足説明をさせて頂きます。

幻覚の中でも統合失調症に起きやすい幻聴にスポットを当てます。


幻聴には4つの条件がそろうと起こりやすいと言われます。

それは、「不安」「孤立」「過労」「不眠」の4つです。


これら4つがそろいやすいのは次のような場合だと考えられます。

・何かと忙しくせわしない。

・日常生活や人間関係が大きく変化する。

・新しいことや苦手なことにチャレンジする必要がある。

・心配事や失敗のリスクが生じて、ある程度の期間それに

 耐えなくてはいけない。

・自分で最終的な責任を負わざるをえない。


具体的には、受験、入学、留学、就職、家族からの独立、引越、

人間関係のトラブルや破綻などの「生活の節目」に、4つの条件

がそろい幻聴を起こしやすいとされています。



また、幻聴を題材にした作品に次のようなものが挙げられます。

1)ムンクの『叫び』(絵画)

  これはあまりにも有名なのでご存知の方も多いでしょう。

2)サカナクションの『エンドレス』(楽曲)

  これは私見ですが、幻聴を体験しないと作れない作品だと

  思います。ご存じない方は YouTube などでご視聴頂けます。



(本稿は『「正体不明の声」ハンドブック』原田誠一 著 を

参考にさせて頂きました。)





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