盗聴器

2014/10/28


現在より症状が酷い時は、独りになりたい時がしばしばありました。


「孤独」になりたかった訳ではありません、念のため。


満員電車にゆられながら通勤し、会社で神経をすり減らし、帰宅すると

クタクタでした。

そんな時、家族がテレビでバラエティ番組かなんかを見ている際、

笑いが起きると自分が嘲笑されていると感じ、楽しむどころでは

ありませんでした。

私が何か行動すると、それに呼応するように笑いがドッカンドッカン

起こるのです。(「051 シンクロニシティ(共時性)と妄想」参照)


健常者ならば、疲れて帰ってテレビを見ながらくつろぐところですが、

私の場合は、それすら病状の悪化に拍車をかけるのです。


そういう時は、寝室に向かい電気を消したまま横になって静かに

していました。

テレビの笑い声や家族の会話などが聞こえないように。

そんな時、妻が「どうしたの? 調子悪い?」と心配してくれて、

そっとしておいてくれたのが救いでした。



普通の人ならば、余計な雑音や自分が無関心なことをフィルターに

よって遮断して、必要な情報のみ受け取るようになっているんだとか。


ところが統合失調症の人はフィルターが機能せず、すべての情報を

受け取ってしまうため、処理しきれずに混乱すると言います。


確かに私もすべての情報を見聞きしていました。

会社では、自分の仕事と関連のない人の言動も過剰に気にしたり、

電車内の見知らぬサラリーマン同士の談笑にビクビクしたり、

隠しカメラや盗聴器の疑念が晴れていないため、テレビの内容と

家族の言動に関連があるのでは、と注意して見ていたりしていました。


ですから一日が終わると、ヘトヘトに疲れきっているのでした。


したがって、独り静かに休みたい時に、家族がそっとしてくれるのが

一番落ち着くのです。


ただし、自傷行為の心配がある人に対しては、注意が必要ですが。




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2014/08/28


このころになっても、異変の原因が自身で仮説を立てた3つの原因

どれかは特定できていませんでした。場合によっては、3つすべてが

原因かも知れないとさえ考えていました。


当時はまだ妄想という自覚(病識)はまったくなく、(関係妄想や

注察妄想という)現実のなかでどう行動してゆくべきかに四苦八苦

していました。



実は現実の社会は、当然のように盗聴器や隠しカメラが仕掛けられて

いて常に誰かに監視されているので、どこかの共産主義国のように自由に

発言・行動できない仕組みになっているのでは?


そして誰もがそれを知っているけれどそれをさとられないように、隠語を

もちいたりボディランゲージで対話を成立させているのでは?


と考えるようになっていました。


「壁に耳あり障子に目あり」とはこういうことだったのか、などと変に

解釈したりしました。



あるとき課長に、「少し休みを取った方がいいのでは?」と気を遣って

頂きました。きっと言動が不自然だったのでしょう。


今は亡き父に連れて行かれたのは、副都心のクリニックでした。

そこは精神疾患とアルコール中毒、それに老人性痴呆症を扱っていました。

アルコール中毒患者の中に、反社会的勢力の一人と思しき患者も見られ

たためか、ここは裏社会と通じているなと思い込んでいました。



院長の診察を受け、統合失調症を疑う質問(盗聴器が仕掛けられていると

思うか、テレビで自分の事を言っていると思うかなど)をいくつか訊かれ

ましたが、監視社会を公言すれば治療という名のどんな制裁を受けるか

恐怖だったので、すべて否定しました。


また、薬も拒否し自力で直す考えを宣言しました。


診断の結果、翌日から3か月の休職を命じられました。



そしてその間、デイケアという社会復帰訓練に朝から夕方まで通うことに

なったのです。





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2014/08/25


次第に妄想や幻聴が酷くなっていきました。


しかし当時はそれが妄想や幻聴だという認識はなく、相変わらず何かの

異変だと思っていただけでなく、ましてや統合失調症の兆候などとは

微塵も考えていませんでした。(当時は、統合失調症は「精神分裂病」

と呼ばれていました。)


例えばこんなことがありました。

会社から自宅に帰ると同時に、家族が見ていたテレビのバラエティ番組

からどっと笑い声が上がりました。ウチに上がると、テレビから「まぁ

まずは座れや」などと言うのが聞こえてきます。私はてっきり家の中に

盗聴器や隠しカメラが設置されていて、私の行動が監視されているもの

と思ってしまいました。これは典型的な注察妄想と呼ばれるものです。


またこんなことも。

会社でデスクワーク中に、課長から自分の名前が呼ばれたので返事をし、

課長のもとにいくと、呼んでいないと言われました。言うまでもなく

幻聴といわれる幻覚です。


はたまたこんなことも。

同僚と飲みに行った時の事、歓談していると周囲にいる他の客が私たちの

ことを何やら噂しているらしいのです。ところが、同僚はそんな事はない

と言って取り合ってくれません。これは関係妄想です。


あるいは、他の人が仕事中に会話をしているときも隠語(私はそう疑って

止みませんでした)を用いて私のことを話題にしていると思える事が頻繁

にありました。


しまいには、周りが常に気になり仕事が手に着かなくなりました。

プライベートでもどこに盗聴器や隠しカメラがあるか分かったものでは

ないので気を抜くことができません。


これが精神疾患の一種だという自覚が全くないことが、悲劇に拍車をかけ

ていくのです。


下記にご紹介する本は、統合失調症についての書籍の中でも患者本人が執筆した
数少ない本のひとつです。 著者の精神状態の変化や、世の中をどう見ていたかが、
分かりやすく詳しく書かれています。



ボクには世界がこう見えていた


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